MTF分析(マルチタイムフレーム分析)
テクニカル分析において最も大事な要素がこのMTF(マルチタイムフレーム)の考え方だと個人的には思っています。
難しそうに感じるかもしれませんが、わかってしまえばダウ理論やグランビルの法則よりシンプルで悩むことも少ないはずです。
まず要点を一言で説明すると4時間足や1時間足の20MAと同じ方向へエントリーする、ということです。
⑴上位足のトレンドを優先する
今のトレンド(方向性)を考える上で、改めてローソク足について考える必要があります。
4時間足、1時間足、15分足、5分足のチャートがあったとして、
4時間足1本分は
→1時間足4本
→15分足16本
→5分足48本
と、なります。
これを元にトレンドについて考えると、例えば4時間足の大陽線1本は1時間足から5分足まで全て上昇トレンドである、ということになります。つまり下図4時間足チャートの丸内陽線連続のような値動きの場合、短期的にかなり強い上昇トレンドということになり、1時間足から5分足まで売りエントリーする優位性は低い、という判定になります。

⑵上位足と下位足、トレンドの方向は20MAの向きで
私は上位足(環境足)を日足と4時間足、1時間足とし下位足(エントリー足)を15分と5分足にしています。 しかし、日足は少し見方が異なるため詳細を後述します。
MA(移動平均線)についてはグランビルの法則で改めて述べますが、ここでは原則として20MA(または25MA)の向いてる方向がトレンドの出ている方向とだけ覚えておいたください。
⑶基本は4時間足と同じ方向へのエントリー
⑴のような理由で4時間足のトレンドと同じ方向へのエントリーが基本となり、これをトレンドフォローと呼びます。
ただし、スキャルピングなどの相対的に短い時間軸でのトレードを主語にしたときは1時間足や30分足、15分足を環境足にしてトレードすることも方法のひとつです。
実際の日経平均先物4時間足での直近(3/1現在)の値動きだと以下のタイミングがあり、このうち上図に関してはTwitterサークルにて実況共有しました。

典型的な上昇トレンド初期の押し目ポイント

27500に押さえ込まれて上値が伸びなくなった、右肩の売りポイント。
⑷上位足(環境足)4時間足と1時間足の方向が揃うと優位性が高い
基本的に4時間足と1時間足の20MAが同じ方向を向いており、かつ並び順が底値の場合は上から20、80MA、安値の場合は逆でさらに2つのMAが収束している状態だとその方向に対して優位性が高いですので、エントリーはこの4時間と1時間足の20MAが接近しており、かつ同じ方向を向いてるときが望ましいです。
直近で1/21の分が参考になります。

上記のようにMAが上から長期→短期の順で全て同じ方向を向いている状態のことをパーフェクトオーダーと呼び、トレンド転換時には非常に優位性が高くなります。
⑸下位足(エントリー足)15分足や5分足のトレンド転換を狙う
⑷のチャート図を主語にすると、丸内の高値付近は戻り売りポイントの判定になりますが、15分足をみると以下のようになっています。

ポイントは高値切り下げ安値更新の流れが続いていることで、80MAや200EMAも下げてきていることです。
この流れの中での高値付近が売りエントリーの絶好のポイントになります。8MAは上向き、20MAはやや上向きになるポイントがベストです。
実際のエントリーにはチャートパターンを待つことになりますが、詳細はまたエントリーに関する章で述べることにします。
⑹日足チャートの見方について
日経平均の特徴としてFX等よりも、日足サイクルである一定の価格帯のレンジを形成する傾向が挙げられ、日足ベースでのトレンド転換や天底を計る目安として日足チャートは重要です。
なお移動平均線は5日、10日、25日、50日、75日、100日、200日などがポピュラーですが、私は主に5日、25日、75日を使用しています。
a,5日線
上記の中でもっとも頻繁に意識するのは5日線で、例えば高安値圏で5日線を下抜けたまたは上抜けたことにより、トレンド転換の可能性が高まっている、という形で使用します。
b,25日線、75日線
こちらは主に時間足と同様の向きによるトレンド判定や現値との乖離率によるトレンド判定に使用します。
加えて、上記どの移動平均線もサポートやレジスタンスになり得ます。

なお、私は上記のように日経平均の日足はポピュラーな移動平均線が決まっていることから、日足では25日移動平均線を使い、時間足では20MAを使用しています。
⑺まとめ
⑴-⑸は一般的なMTFの考え方を、⑹は日経平均の特徴について書きましたが、以下の順に現在のトレンド判定、エントリーの判断を行います。
◎トレンドの方向は各足の20MAの方向で判定
日足(レートが中期的トレンドのどの位置にあるか)
↓
4時間足(おおむね1-3日間のトレンドはどの方向なのか)
↓
1時間足(各セッション-1日のトレンドはどの方向なのか)
↓
15分足(上位足でトレンドが発生しそうな形になった場合、押し目や戻り目でエントリーする)
MTFについては以上です。
次回はダウ理論について書く予定です。
次はこちらをお読みください。
テクニカルの基本に関する記事はこちらにまとめています。
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