時間足でみる 上昇継続とピークアウト
時間足でみる「上昇継続」と「ピークアウト」の見極め方
デイトレードや短期的なスイングトレードにおいて、1時間足でのトレンド把握は非常に重要です。現在の流れがまだ続くのか、それとも勢いを失い転換点(ピークアウト)を迎えたのか。そのサインを早期に読み解くことは、利益の最大化とリスク管理に直結します。
この記事では、1時間足チャートを読み解く上で最も基本的かつ強力な判断基準について解説します。
上昇トレンド継続のサイン:「安値の切り上げ」
上昇トレンドが継続している場合、最も重要なサインは**「安値の切り上げ」**が続くことです。これはダウ理論における上昇トレンドの明確な定義そのものです。
株価が上昇を続ける中でも、一本調子で上がることは稀で、必ず一時的な下落(調整)を挟みます。元の記事にあるように、株価が調整に入ると、移動平均線(MA)、過去に意識された価格帯(節目)、あるいは自身で引いたトレンドラインなどが「サポート(支持線)」として機能することが多くなります。
価格がこれらのサポートライン近辺で反発し、前回の安値よりも高い位置で底を打つ(安値を切り上げる) 限り、上昇の勢いはまだ強いと判断できます。多くのトレーダーは、この反発を確認したポイントを「押し目買い」の絶好のチャンスと見なします。

以下はもみ合い気味の上昇トレンドの場合です。

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下落トレンドの場合
ピークアウト(下落転換)のサイン:「押し安値割れ」と「高値の切り下げ」
では、上昇トレンドが終わり、ピークアウトする時はどのような兆候が現れるのでしょうか。
最初の危険信号は、上昇トレンドを支えてきた**「押し安値(上昇トレンドにおける直近の安値)」を明確に割り込む**ことです。これは、買い方の勢いが弱まり、売り方の圧力が強まったことを示すダウ理論上のトレンド転換の第一波です。
元の記事で3月の事例として挙げられているように、この「押し安値割れ」が起きた後、さらに決定的なサインが現れます。それは、株価が一時的に反発(戻り)を見せたとしても、**前回の高値を超えることができず、それよりも低い位置で頭打ちになる(高値を切り下げる)**ことです。
この2つのサイン(押し安値割れ+高値切り下げ)が揃うと、ダウ理論上の上昇トレンドは明確に終了し、下落トレンドへの転換が強く意識されます。
また、記事で指摘されている「1時間足20MA」のような短期の移動平均線も有効な指標となります。上昇中はサポートとして機能していたMAが、転換後は逆に「レジスタンス(抵抗線)」となり、株価がMAを回復してもすぐに売り叩かれるようになると、ピークアウトは本物である可能性がより高まります。

以下は3月2回目の最高値更新後の値動き。ここでも安値が切り下がり続けている。また1時間足20MAを回復してもすぐに売りが入り下落する。

まとめ
1時間足レベルの上昇トレンドは、安値の切り上げと押し目での反発が継続しているかどうかが鍵です。反対に、押し安値を割り、高値も更新できなくなったときがピークアウトのサインです。短期トレーダーにとっては、これらのサイクルを早期に察知することで、次の波に乗るための戦略を立てやすくなります。
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